北海道糖業株式会社
宇山真路美さん(法務担当) 45歳
![]()
法律事務所から食品メーカー法務へ。子どもの進学を機に選んだ北海道Uターン転職。
![]()
新卒から法律事務所でパラリーガルとして経験を積み、主任として部下の育成や業務改善にも携わってきた宇山さん。「北海道の学校へ行きたい」という子どもの言葉をきっかけに、自身のキャリアやこれからの働き方を改めて考えるようになった。
以前から抱いていた「法律の知識を事業会社で活かしたい」という想いもあり、北海道へのUターン転職を決意した。現在は北海道の食品メーカーで法務担当として、契約書審査やコンプライアンス対応、内部監査などを担当。
バイオや農業など、これまで馴染みのなかった分野にも向き合い、「今は事業部と一緒に動きながら、会社の中で判断していく手応えがあります」と話す。法律事務所から事業会社の法務へ。北海道で実現した宇山さんの新たなキャリアについて伺った。
※本記事の内容は、2026年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで68日間
転職前
- 業種
- 法律事務所
- 職種
- パラリーガル
- 業務内容
- 企業法務・一般民事(労働・離婚・刑事など)分野のパラリーガル業務全般。
転職後
- 業種
- 食品メーカー
- 職種
- 法務担当(総務人事部)兼内部監査室
- 業務内容
- 契約書審査・法律相談対応、コンプライアンス関連業務、内部監査室との兼務。
「事業会社で法律知識を活かしたい」。北海道転職で見つけた選択肢。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
食品メーカーの総務人事部で法務担当として勤務しています。上司と2名体制で、各事業部からの契約書審査・法律相談対応、コンプライアンス関連業務を担当し、内部監査室も兼務しています。
当社の主力事業は砂糖の製造ですが、そのノウハウを活かしたバイオ関連事業も展開しているため、秘密保持契約や技術契約など、前職では扱ってこなかった分野も少なくありません。
日々、事業部の担当者と話しながら理解を深め、契約書の文面だけを見るのではなく、事業の背景や現場の状況まで理解した上で判断することを大切にしています。
入社前のご経歴を教えてください。
新卒で企業法務を中心とする法律事務所に入所し、パラリーガルとしてキャリアをスタートしました。その後、法科大学院を経て、総合法律事務所に勤務していました。
企業法務に加え、労働問題や離婚、刑事案件など幅広い分野を担当し、約9年間勤務しました。主任として部下の育成や業務フローの整備、他部署と連携した業務改善などにも携わりました。
転職のきっかけは?
一番のきっかけは、子どもが「北海道の学校に行きたい」と言ったことでした。本人の意思を尊重して進学を決める中で、自分自身の働き方やキャリアについても改めて考えるようになりました。
私自身は北海道出身ですが、大学進学を機に上京し、その後20年以上東京を拠点にパラリーガルとしてキャリアを積んできました。
一方で、実家が家業を営み、経営や事業運営を身近に感じながら育ったため、以前から「事業会社の一員として事業に深く関わりたい」という想いを持っていました。
前職の終盤は札幌オフィスに席を借りる形で、二拠点を行き来しながら東京の業務を続ける時期がありました。リモートでそのまま働き続ける選択肢もありましたが、北海道に拠点を移したタイミングで長年の希望だった「事業会社で腰を据えて働く」キャリアに挑戦したいと考え、北海道での転職を決意しました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは「事業会社 法務」といったキーワードで情報収集から始めました。40代半ばでの転職に不安もあり、当初は「北海道で法務の仕事をするのは難しいだろう」と感じていたため、リモートワークを活用しながら東京の会社で働くことも考えていました。
そんな中、スカウトサービスなどに登録して転職活動を進めていたところ、リージョナルキャリア北海道のコンサルタントの續さんからメッセージが届きます。そして續さんと話をする中で、「北海道でも希望の働き方を実現できるかもしれない」と感じるようになりました。
転職にあたっての希望条件は、地域に根差した歴史のある企業で法務の仕事に携われることでした。前職は環境や方針の変化も多かったため、次は腰を据えて働ける会社を希望していました。
今の会社に決めたポイントは?
一番の決め手は人の誠実さでした。一次面接の段階から、会社の良い面だけではなく、課題や弱みについても率直に伝えてもらえたのが印象に残っています。
「こういった部分に課題がある」「だからこそ、こんな経験を活かしてもらえると思う」といった話をしてもらえ、自分が入社後にどう役に立てそうかを具体的にイメージできました。
会社を良く見せようとするのではなく、ありのままを伝えてくれたことに信頼感がありましたし、その姿勢は最終面接まで一貫していました。他社の選考も並行して進んでいましたが、早い段階で「この会社に行きたい」という気持ちが固まりました。
会社の内側に入って初めて見えた、法務の役割。
転職していかがですか?
法律の知識を活かしながら、事業部と一体となって仕事ができています。前職ではトラブルが起きてから法的な側面で対処することが主でしたが、会社の内側に入って事業部とともに向き合い、「伴走する」という感覚はまったく違います。
社長をはじめ、役員も社員も距離が近く、意見を率直に伝えられる雰囲気があります。重要な判断の場でも自分の考えを発信できる。面接時に感じた誠実さは、入社後も変わりませんでした。
特に、社長の「一日一回は笑ってください」という言葉がとても好きで、その言葉通り、職場はいつも温かく、恵まれた人間関係の中で充実した日々を送っています。
転職して良かったと思うことは?
法律の知識を事業に近いところで活かせている実感があることです。契約書の確認一つでも、事業部の担当者とやり取りをしながら、背景や目的を理解した上で進めるようにしています。
また、内部監査で各拠点を回る中で、さまざまな部署の方と関わる機会が増えました。訪問先で一緒に食事をしたり、畑での生育調査に同行したりと、現場を知る経験もできています。
入社前は砂糖の原料や製造の流れについてほとんど知識がありませんでした。実際に現場を見ることで、事業への理解が少しずつ深まっています。
困っていることや課題はありますか?
まだまだ現場や製品への理解を深める必要があると感じています。特にバイオ関連は専門性が高く、知らない用語や分野も多いため、日々勉強しながら仕事を進めています。
また、内部監査の仕事についても、単にチェックをするだけではなく、現場と一緒に改善を考えられる存在になりたいです。指摘して終わりではなく、「なぜそうなっているのか」「どうすればより良くできるのか」まで踏み込んで考えられるようになることが、今後の課題です。
生活面の変化はありましたか?
実家で家族のサポートを得られるようになり、子どもと過ごす時間や自分の時間を楽しむ余裕が生まれました。
また、ご近所の方々と庭でジンギスカンをしたり、出張先で生産者の方々と交流したりと、仕事や生活に関わる人々を身近に感じています。こうした「地域とのつながり」は、東京での暮らしではなかなか得られなかった感覚です。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
私自身、最初は「北海道で法務を専門として仕事をするのは難しいだろう」と思っていました。東京での仕事を続けることも考えていましたが、情報を集めていく中で北海道にも自分の経験を活かせる企業があることを知りました。
年齢への不安もありましたが、これまでの経験を評価してくれる会社はあると感じています。実際に動いてみないと分からないことも多いので、まずは情報を集めて、興味のある会社とは直接会ってみることが大事です。会社の雰囲気や人との相性は、話してみて初めて見えてくる部分も多いと感じました。